こんにちは!シナプスの木下です😁
〜代謝の仕組みから読み解く、最適なダイエットアプローチ〜
ダイエット相談の中でよく聞かれる質問のひとつが、
「糖質制限と脂質制限、結局どちらが痩せやすいのか?」です。
この問いに対して、私たち専門家が答えるべきは単純な「どっちが良い」ではなく、代謝の仕組み・体質・ライフスタイルに合わせたアプローチの最適化です。
この記事では、両者の代謝的背景・痩せるメカニズム・研究知見を踏まえたうえで、どちらがどんな人に向いているのかを掘り下げて解説します。
1. ダイエットの原則:エネルギーバランスがすべての土台
まず前提として、体脂肪を減らすには「消費カロリー > 摂取カロリー」であることが不可欠です。
この原則は糖質制限であろうと、脂質制限であろうと共通です。
体重が減る理由は、糖質を抜いたからでも脂質を控えたからでもなく、摂取エネルギーが減った結果として起こること。どちらの制限法も「どうエネルギー摂取を減らすか」という手段にすぎません。
2. 糖質制限のメカニズムと特徴
糖質(炭水化物)は、分解されてグルコースとして血中に入り、血糖値を上昇させます。それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは血糖を細胞内へと運ぶ一方で、脂肪合成を促進し、脂肪分解を抑制する作用も持ちます。
糖質制限を行うと、インスリンの分泌が抑えられ、体が脂肪をエネルギー源として使いやすくなる(=脂肪酸代謝優位)状態に切り替わります。
また、極端な糖質制限では「ケトーシス」と呼ばれる代謝モードに入り、ケトン体(脂肪由来のエネルギー源)を脳や筋肉が利用するようになります。
糖質制限の主なメリット
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血糖・インスリンの急変動が抑えられる
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空腹感が抑えられ、間食が減りやすい
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初期の水分減少により体重が落ちやすく、モチベーション維持に繋がる
注意点
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ケトン体モードでは一部筋分解も起きやすい
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食物繊維やビタミンB群の不足リスク
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中長期的には脂質過多によるLDL上昇の報告も
3. 脂質制限のメカニズムと特徴
脂質は1gあたり9kcalと高カロリー。対して糖質やタンパク質は4kcal。つまり脂質を制限することはエネルギー密度の高い栄養素をカットする=総摂取カロリーを下げやすいという特徴があります。
また、脂質は消化に時間がかかるため、胃腸への負担を減らしたい人や、軽快な体調を求める人にも向いています。
脂質制限の主なメリット
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カロリー調整が直感的でわかりやすい
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血中脂質・コレステロールの改善が期待できる
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和食中心の生活と親和性が高く、継続しやすい
注意点
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良質な脂肪酸(オメガ3・6)までカットしやすい
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ホルモンバランスや脂溶性ビタミン(A・D・E・K)吸収に悪影響を及ぼす場合も
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脂質による満足感の低下 → 過食に繋がるリスクあり
4. エビデンスに基づく比較:どちらが効果的?
ハーバード公衆衛生大学院の研究(2018年)によると、糖質制限と脂質制限で体重減少に有意な差は見られなかったと報告されています(DIETFITS Study)。
さらに、個人のインスリン感受性や空腹ホルモン(グレリン)の反応差が、ダイエットの成功に大きく影響するともされています。
すなわち、科学的にも「どちらが絶対に痩せる」という明確な優劣はないというのが、現在の共通見解です。
5. どっちが合う?タイプ別の選び方
糖質制限が向いている人
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ご飯・パン・麺を控えられる人
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肉・魚・卵・チーズが好き
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空腹感を減らしたい、間食をやめたい
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初期に体重をスピーディーに落としたい
脂質制限が向いている人
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主食(ご飯・パン)が好きで我慢が苦手
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胃腸が弱く、脂っこいものが苦手
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健康的に体重を落としたい(高血圧・脂質異常症リスクがある)
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外食や家族との食事を楽しみながら続けたい
6. 筋肉を維持しながら痩せるには?
糖質制限中にありがちな筋肉減少。これは糖質の不足による筋グリコーゲンの枯渇や、筋タンパク質の分解促進が原因です。特にトレーニングを並行している方は、糖質を完全にゼロにするのではなく、トレーニング前後には適度に摂取する戦略が有効です。
脂質制限の場合も、極端に摂取を減らしすぎるとテストステロン低下・代謝の停滞が起こる可能性があるため、良質な脂(アボカド・ナッツ・魚油など)は適度に残すべきです。
7. 結論:選ぶべきは「どっちか」より「どう続けるか」
糖質制限も脂質制限も、どちらもカロリーコントロールの手段のひとつに過ぎません。
一時的な成果に囚われず、生活に溶け込み、継続可能な方法を選ぶことこそが、本当の意味で“痩せる”ダイエットです。
どちらにしても共通して言えるのは、
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高たんぱく・低カロリーの食品選び
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過度な制限はせず、段階的に調整
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運動との併用で筋肉を守りながら痩せる
この3つの軸が、リバウンドしない体づくりに必要不可欠です。
迷ったら、まずは「減らすのではなく、見直す」ことから始めてみてください!
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