こんにちは!滋賀県大津市にある、南草津駅が最寄りのパーソナルジム「シナプス」の木下です。
スクワットをするとき、「膝をつま先より前に出してはいけない」と聞いたことはありませんか。鏡を見ながら膝を必死に後ろへ引き、かえって上体が大きく前へ倒れてしまう方もいます。
結論からお伝えすると、膝がつま先より前に出ることだけで、フォームが間違い、膝を痛めるとは判断できません。痛みのない健康な方であれば、足の長さや足首の動きに合わせて膝が自然に前へ動くことがあります。大切なのは「絶対に出さない」ことではなく、負荷、深さ、身体全体のバランスを調整することです。
膝を前に出さないと、負担が消えるわけではありません
スクワットで膝が前へ移動すると、膝を曲げる角度が大きくなり、膝周辺の負荷は増える傾向があります。そのため、膝を守るための分かりやすい合言葉として「膝をつま先より前に出さない」が広く使われてきました。
しかし、身体にかかる負荷は、膝の位置だけで決まりません。2012年の研究では、成人20人が膝の前方移動を制限したスクワットと、自然に動かすスクワットを行いました。膝を前へ動かした条件では膝関節のモーメントが大きくなりましたが、制限した条件では股関節側のモーメントが大きくなりました。膝の負担を減らそうとすると、その分が股関節や腰側へ移る可能性があるということです。
また、成人30人を調べた2013年の研究では、膝の前方移動を制限すると、制限しないスクワットより胸椎周辺の動きが大きくなりました。どちらの研究も短時間の動作を測った小規模な実験で、けがの発生率を比較したものではありませんが、一つの位置だけを固定する難しさを示しています。
2026年の研究でも「制限する明確な利点」は確認されず
2026年9月に発表された探索的な無作為化試験では、健康で活動的な18〜30歳の60人を、膝を自然に動かすスクワット、膝の前方移動を制限するスクワット、通常生活の3群に分けました。運動群は6週間で18回、自重スクワットを行い、57人が解析されました。
結果は、膝の前方移動を制限しても、腰に関連する機能や複数の身体機能に一貫した優位性は確認されませんでした。ただし、対象は若く活動的な人で、自重スクワットを短期間行った研究です。中高年の初心者、重いバーベルを使う場合、膝に痛みがある場合まで「どちらも同じように安全」と証明した研究ではありません。
「前に出てもよい」は「どこまでも出してよい」ではない
膝を前へ動かすほど、膝蓋大腿関節への負荷が高くなる場合があります。健康な若い女性25人を対象にした研究でも、膝をつま先より前に出すスクワットでは、出さない条件より同関節への推定ストレスが高くなりました。
負荷がかかること自体は、直ちに損傷を意味しません。筋トレでは適切な負荷を利用して身体を鍛えます。一方、すでに膝の前側に痛みがある方や治療中の方は、膝の移動量や深さを一時的に調整した方がよい場合があります。健康な人向けの情報を、そのままリハビリへ当てはめないことが大切です。
初心者は椅子を使ってフォームを確認しよう
最初は重りを持たず、安定した椅子の前に立ちます。足は腰幅から肩幅程度に開き、つま先を少し外へ向けます。後ろの椅子へ腰を下ろすようにしゃがみ、膝はつま先とおおむね同じ方向へ動かします。膝がつま先より少し前に出ても、かかとが床につき、痛みなく立ち上がれるなら、それだけで直す必要はありません。
かかとが浮く、腰が強く丸まる、左右どちらかへ崩れる場合は、椅子を高くして動く範囲を浅くします。まずは8〜10回をゆっくり行い、余裕があれば休憩後にもう一度行う程度から始めましょう。深くしゃがむことや、重りを増やすことを急ぐ必要はありません。
運動中に鋭い膝痛が出る、運動後も痛みが強く残る、腫れ、引っ掛かり、膝崩れがある場合は中止してください。症状が続く場合や、膝のけが・手術歴がある場合は、医療機関や理学療法士などへ相談しましょう。
まとめ|膝の位置だけでスクワットを採点しない
スクワットでは、膝がつま先より前に出るかどうかだけで良し悪しは決まりません。膝を無理に後ろへ引けば、上体や股関節側の負担が増えることもあります。現在の体力に合った深さと負荷で、痛みなく安定して動ける形を探すことが重要です。
「自分のスクワットを横から確認してほしい」「膝や腰に不安があり、どこまで動いてよいか分からない」という方は、シナプスの無料体験カウンセリングでご相談ください。運動経験や現在の状態を確認しながら、無理のない始め方を一緒に考えます。
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